MEDDPICCとは、複雑なBtoB案件を評価するためのフレームワークで、8つの要素の頭文字を並べたものです。誰が予算を握っているか、顧客がどのように意思決定するか、契約や購買の手続きがどう進むか、社内で誰が推進しているか。案件が本当に受注に必要な条件をそろえているかを、営業担当者が確認するために使います。
このフレームワークは、1990年代に米国の企業向けソフトウェア営業で生まれたMEDDICが元になっています。その後「ペーパープロセス(Paper Process)」と「競合(Competition)」の2項目が加わり、MEDDPICCとなりました。
8つの要素
| 頭文字 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| M | Metrics | 顧客が成果を測るための具体的な指標 |
| E | Economic Buyer | 予算を握り、支出を承認できる人 |
| D | Decision Criteria | 顧客が選択肢を比較するときの基準 |
| D | Decision Process | 顧客社内で意思決定に至る手順と関わる人 |
| P | Paper Process | 契約、購買、法務などの書類上の手続き |
| I | Identify Pain | 顧客が行動せざるを得ない課題 |
| C | Champion | 顧客社内で案件を積極的に推進する人 |
| C | Competition | 顧客が検討している他の選択肢(現状維持を含む) |
よくある誤解
**MEDDPICCは営業プロセスではありません。**各段階で何をすべきかを示すものではなく、案件にどの情報がまだ欠けているかを確認するためのものです。空欄の項目は、まだ見えていないリスクを意味します。
**一度埋めただけでは、評価は終わりません。**MEDDPICCで最もよくある問題は、一度記入したきり更新されないことです。窓口担当者が変わる、新しい意思決定ユニットが現れる、予算が先送りになる。それでも記録は1か月前のままです。評価の信頼性は、各項目が実際のやり取りに合わせて更新されているかどうかで決まります。
**意思決定ユニットの考え方と補い合う関係にあります。**MEDDPICCの予算決裁者、社内の推進者、意思決定プロセスは、いずれも顧客社内の意思決定ユニットに立ち返って確認する必要があります。そうしないと、一人か二人しか見えていない状態になりがちです。
具体例
ある地域中核病院が、新しい輸液ポンプの導入を検討しています。MEDDPICCで確認すると、課題(輸液ミスのリスク)と社内の推進者(看護師長)ははっきりしています。しかし、予算決裁者が誰かはまだわからず、意思決定プロセスのうち情報システム部門の審査にどれだけかかるかも誰も把握していません。ペーパープロセスで入札が必要かどうかも、まだ確認していません。8つの要素のうち3つが空欄です。この3つが、営業担当者が次に埋めるべきところです。
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社内の推進者と予算決裁者の違いは、社内の推進者(チャンピオン)と予算決裁者(エコノミックバイヤー)の違いとはをご覧ください。実際の案件で顧客社内の意思決定ユニットを一つずつ追う方法は、企業向け営業における意思決定ユニット(DMU)で解説しています。
VINEQRA はMEDDPICCの入力フォームではありませんが、意思決定ユニットごとに関係者とのやり取りを記録するため、予算決裁者、社内の推進者、意思決定プロセスといった項目を、実際のやり取りと照らし合わせて確認できます。VINEQRA の仕組みを見る