期ズレ(ディールスリッページ、Deal Slippage)とは、案件の受注予定日が後ろにずれること、しかも多くの場合それが一度では済まないことを指します。たいていは、本来その期日までに満たされるはずだった条件が満たされていないことを意味します。予算が下りていない、稟議の日程が入っていない、ある意思決定ユニットがまだ関わっていない、といったものです。
顧客から「来期にしましょう」「来年度の予算を待ちたい」と言われたとき、案件は期ズレしています。期ズレそのものは答えではありません。当初の前提どおりに何かが進まなかったというサインです。
混同されやすい概念
**期ズレは、沈黙とは違います。**顧客が沈黙しているとき、営業担当者には何が起きているのかがわかりません。期ズレの場合、顧客は新しい時期をはっきり示しています。どちらも読み解きが必要ですが、期ズレには少なくとも「なぜ当初の時期では無理になったのか」という具体的な問いがあります。
**期ズレは、失注とも違います。**期ズレした案件はまだ生きていて、変わったのは時期だけです。ただし期ズレが続くのは、案件が静かに失われつつあるサインであることが少なくありません。特に、そのたびに具体的な理由が語られない場合はなおさらです。
**日付を書き換えるだけでは、期ズレに対処したことになりません。**CRMやSFAの受注予定日を後ろにずらすだけで、原因を探らない営業担当者は多いものです。それでは次もまた期ズレする可能性が高くなります。本当に対処すべきなのは、満たされなかった条件のほうです。
具体例
ある地域中核病院が新しい輸液ポンプの導入を検討しており、営業担当者は第3四半期の受注を見込んでいました。9月になって、診療科部長から「第4四半期まで待ってほしい」と言われます。営業担当者はすぐに日付を書き換えるのではなく理由を尋ね、この金額が診療科で使える枠を超えており、来年度の設備投資予算に組み込む必要があること、そしてその予算の審議が11月にあることを知りました。
この条件がわかって初めて、新しい時期に意味が生まれます。次にやるべきことは、第4四半期になってからもう一度聞くことではなく、診療科部長の予算申請の準備を手伝い、経理の審議日程を確認することだとわかります。
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期ズレは、案件が止まる形の一つです。本当の原因を見つける方法は、BtoB営業の案件が止まる理由と、本当のボトルネックの見つけ方をご覧ください。顧客が新しい時期を示すのではなく沈黙してしまった場合は、顧客が急に沈黙したとき:動かない案件をどう読み解くかが参考になります。期ズレの裏にある満たされなかった条件は、たいてい営業の阻害要因です。
VINEQRA は滞っていそうな案件を示し、阻害要因に応じた次の一手を提案します。日付を書き換えるだけでなく、期ズレの原因を突き止められます。VINEQRA の仕組みを見る